みなさんは、顔文字って使いますか?
私は、しつこくならない程度に使います。
基本はちゃんと文章で気持ちを伝えたほうがいいと思っていますが、顔文字を入れることで少し親しみやすい印象にしたり、笑いながら話せる程度の悲しい話を語る時に面白おかしく伝える効果が得られて便利です。
だけど、顔文字は視覚障害者が使う音声読み上げで読ませると、暗号のようになってしまうんです。
拡大した文字を見ながら音声も使っている私にとってはそれが普通なのですが、在る時ふと
「音声で読ませた時の顔文字の話って、うまく伝えるのが難しいけど話のネタとして面白いかもなあ」
と思い立ちました。
読まれた方は「どこが笑いどころなの・・・?」と反応に困るかもしれませんが、この記事では音声読み上げ機能で顔文字を読ませた時の様子をお伝えします。
また、視覚障害者で音声読み上げを使っている人も、読みながら「あるある!」と共感してもらえたらと思います。
音声読み上げ機能とは
音声読み上げ機能を知らない方のために、まずそれについて少しだけ説明しておきます。
視覚に障害を持つ人は、パソコンやスマートフォンを使う時に特別な設定をして画面に書かれている文字を読めるようにします。
視覚障害者向けの設定には、文字を大きくする、背景と文字の色を見やすい配色にする、合成音声で画面を読み上げさせる、点字が浮き上がってくるIT機器をつないで画面を点字で読めるようにするなどの機能があります。
私の場合は少し視力があるので複数の機能を設定して、目で画面を見ながら耳でも聞くという使い方をしています。
音声読み上げは画面上の文字を読み上げてくれる機能なのですが、パソコンならキーボードで入力した文字や、操作内容も読み上げてくれます。
例えば、タブキーを押すとリンクを一つ一つ読み上げてくれます。
ここで、
「パソコンはなんとなくわかった。でも、白い杖を持った人が、外でキーボードなしでスマホを使ってるのを見たよ」
と、疑問に思われる方もいるのではないでしょうか。
確かに、iPhoneなどのスマートフォンは画面がツルツルしていて、キーボードみたいに決まったボタンを押すと決まった反応をするというわけではありません。
実は、音声読み上げを設定すると画面に一度触れただけでは操作ができないようになります。
どういうことかというと、通常の設定だと指で1回タップすれば実行される操作が、2階タップで実行されるようになるんです。
1回目に指で触れた時に画面の内容を確認して、2回目で実行させるという感じです。
他にも、「指何本でこの方向に画面をなぞるとこの操作が実行される」など、決まった操作方法が割り当てられています。
関連記事:
[私について1] 視覚障害のこと、IT機器(PC、スマホ、タブレット)のこと
iPhone、iPadなどApple製品のアクセシビリティ機能 Voice Overについて1 ~読み上げ機能をちょこっと試してみたい人向けの設定~
アプリやウェブサイトの作りによっては、残念ながら音声で読めないこともあるのですが、Safari、Facebook、Twitter、LINEなどのメジャーなアプリは視覚障害者でも使えるようになっています。
音声読み上げで顔文字を読ませるとこうなる
本題に入ります。
音声読み上げでは、設定していると記号なども読むことができます。
、(てん、読点)や。(まる、句点)、☆(ほしじるし)など。
顔文字はこれらの記号を組み合わせて人の表情を表現しています。
それを音声で読ませると、暗号になってしまうんです!
音声読み上げあるある
聞こえてくる暗号で頻繁に出てくる顔文字のパターンを理解する。
キャレットオーキャレット→(^o^) 笑う
ティーアンダースコアティー→(T_T) 泣く
左丸かっこアキュートアクセント中黒(´・ω・`) しょぼん— いづる もえ@名もなき弱視ブロガー (@moenoashiato) October 10, 2019
読み方は、パソコンやスマホの機種、音声読み上げの種類などによって異なりますが、だいたいこんな感じです。
顔文字→音声での読み方
(^O^)→かっこ・キャレット・オー・キャレット・かっことじ
(T_T)→ティー・アンダースコア・ティー
(-_-;)→かっこ・マイナス・アンダーライン・マイナス・セミコロン・かっことじ
マジで暗号。
でも、顔文字は大体文末についているし、頻繁に使われるものは文脈と合わせてパターンとして覚えることができます。
私は少し目が見えているので、音声と一緒に顔文字の形を見て「ああ、こういう意味なんだ」と理解したのですが、全盲でも顔文字を使う人もいるのでパターンで理解していると思います。
ちなみに、スマホだと顔文字を書く時は「わーい」、「わらう」、「なく」など決まった言葉を入れると対応する顔文字が出てくるので、見えない人も顔文字を使うことができます。
また、スマホに入っている絵文字は音声読み上げでどんな絵なのかを細かく説明してくれます。
絵文字の説明も笑えるものが多いのですが、長くなるのでそれはまた別の機会にお伝えしたいと思います。
Twitter、ブログ、メルマガで見かける装飾はこうなる
文末の顔文字くらいなら、記号がたくさん出てきてもパターンで覚えてしまえば気になりません。
だけど、Twitter、ブログ、メルマガなどで見かける記号を組み合わせた枠線や模様などは、音声で読み上げると大変なことになります。
装飾→音声読み上げ
■□■□■□■□
→くろしかく・しろしかく・くろしかく・しろしかく・くろしかく・しろしかく・くろしかく・しろしかく…
人人人人人人人人
→ひとびとひとびとひとびと…
または
ひとひとじんひとひとじん…
Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
→ワイ・キャレット・ワイ・キャレット・ワイ・キャレット…
文末の顔文字くらいなら気にならないけど、メルマガなんかでよくある文字や記号を組み合わせた装飾は、音声で読むと暗号だらけで解読不能。
かなりうるさいw
例えば、
人人人人人人人←これ
たぶん吹き出しの意味だけど、音声だと
ひとびとひとびとひとびとってなる。混雑してるのかな?
— いづる もえ@名もなき弱視ブロガー (@moenoashiato) October 10, 2019
控えめに言って、かなりうるさいwww
これも大体パターンがあるので、読み上げの操作に慣れれば「これは内容とは関係ないな」と判断してとばして読むことができます。
また、読み上げの種類や設定によっては、同じ記号が繰り返される時は省いてくれることもあります。
が、たまに飛ばしても飛ばしても本文にたどり着けなくて、
「なんだこりゃ!」
となることも。
そういう時に画面を見ると、2、3行に渡って細かい装飾が書かれていたりします。
見た目の華やかさは大事だし、こういうのは人それぞれのセンスなので、使うな!とは言えません。
・・・でも、記号の装飾が多すぎる文章って、苦労して本文にたどり着いた割に内容もあんまり…なことが多いです(小声)
まとめ
音声読み上げ機能で顔文字や装飾を読ませた時の様子をお伝えしました。
顔文字、装飾に限らず音声読み上げは漢字の読み間違いもちょこちょこあるので、IT機器の音声を聞いていると暗号の解読をしているような気分になることがあります。
だから私は画面の情報にも頼ってしまうのですが、全盲で音声だけでIT機器を操作している人って本気ですごいと思います。
必要に迫られてそうやっているとはいっても。
表現力不足で伝えきれていないことも多いと思いますが、少しでも
「へ~、そんな世界もあるんだ」
と知ってもらえたら嬉しいです。
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